【2020年03月04日】

科名:ジョウビタキは、ヒタキ科?ツグミ科?

 手元にある野鳥図鑑には、ジョウビタキがヒタキ科だったりツグミ科だったりしています。ウキペディアでは、ツグミ科(ヒタキ科)と表記されています。よく分からないですね。私にとってはどちらでもよいことなのですが、少し気になるので調べてみました。

 ①分類説によって、ヒタキ科もしくはツグミ科に分類される。ヒタキ類のように樹上から飛び立ち羽虫を空中捕獲で捕食する他、ツグミ類のように地上に降りることも多い。

 キビタキやオオルリなどのヒタキ科の足は比較的弱く短めで、枝先から飛び立って、主に飛翔性昆虫を空中で捉えます。一方、ジョウビタキやルリビタキ、ノビタキなどのツグミ科は足が比較的強く長めで、よく地上で採食する点が共通しています。(「日本野鳥の会」より)

 ②分類方法の変化

 日本鳥類目録第7版を発行した「山階鳥類研究所」によると、これまでの化石記録の精査や比較解剖学の研究成果のみに基づいて、過去の進化の歴史を推定していた分類「α(アルファ)分類学」から「分子系統学」とよばれるDNAの塩基配列情報を分析機器で読み取って比較する分類「β(ベータ)分類学」方法へと変わったとのことです。

 この技術が急速に普及した結果、ここ十年ほどのあいだに、これまでには分かっていなかった鳥たちの驚くべき類縁関係が次々に明らかになったそうです。例えば、ハヤブサはタカではなく、むしろインコや小鳥に近い鳥であること、フラミンゴはカイツブリのなかまであるそうです。素人にはフラミンゴがカイツブリのなかまだなんて、にわかには信じられませんが・・・。

日本鳥類目録第7版において日本鳥類目録第6版からの変更点 (2013年8月5日更新)が「科名」だけでも66種ありました。
 例えば、

ジョウビタキ:ツグミ科→ヒタキ科へ(31種全てのツグミ科が全てヒタキ科へ変更)
◎ライチョウ:ライチョウ科→キジ科へ
キクイタダキ:ウグイス科→キクイタダキ科へ

※ツグミ科からヒタキ科へ変更された31種

1.アカコッコ:留鳥(伊豆諸島、トカラ列島)絶滅危惧IB類(EN)
2.アカハラ:漂鳥
3.アカヒゲ:留鳥(薩南諸島、南西諸島の一部)、漂鳥
4.イソヒヨドリ:留鳥(北海道では夏鳥)
5.イナバヒタキ:ごく稀な迷鳥
6.オガワコマドリ:稀な冬鳥
7.オガサワラガビチョウ:絶滅(EX)
8.カラアカハラ:少ない旅鳥
9.クロウタドリ:ごく少ない旅鳥、冬鳥
10.クロジョウビタキ:ごく稀な迷鳥
11.クロツグミ:夏鳥
12.コマドリ:夏鳥
13.コルリ:夏鳥(本州中部以北)
14.サバクヒタキ:稀な迷鳥
15.シマゴマ:少ない旅鳥
16.ジョウビタキ:冬鳥
17.シロハラ:冬鳥
18.セグロサバクヒタキ:稀な迷鳥
19.ツグミ:冬鳥
20.トラツグミ:留鳥、漂鳥(本州以南)、夏鳥(北海道)
21.ノゴマ:夏鳥(北海道で繁殖、他では旅鳥)
22.ノドグロツグミ:稀な旅鳥、冬鳥
23.ノハラツグミ:ごく稀な迷鳥、冬鳥(主に本州以北)
24.ノビタキ:夏鳥(本州中部以北で繁殖)、旅鳥
25.ハシグロヒタキ:稀な迷鳥
26.ヒメイソヒヨ:ごく稀な迷鳥
27.マミジロ:夏鳥(本州通部以北)・旅鳥
28.マミチャジナイ:少ない旅鳥
29.ヤマザキヒタキ:ごく稀な迷鳥
30.ルリビタキ:漂鳥(北海道、本州,四国の亜高山帯の針葉樹林で繁殖。冬は本州以南の平地林で越冬)
31.ワキアカツグミ:ごく稀な迷鳥


 今後もDNA分類による研究成果により、「日本鳥類目録改訂第8版」で変更点が出てきそうですね。

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